専門医の頭痛ブログ

アクイプタとレイボーの併用ルール|飲み合わせ・使い分けを解説|頭痛専門医が解説

薬を飲む女性

「アクイプタ」と「レイボー」。どちらも比較的新しい片頭痛治療薬ですが、併用しても大丈夫なのでしょうか? 飲み合わせや注意点について、詳しく解説していきます。

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【この記事のポイント】
  • ✅ アクイプタは片頭痛の予防薬、レイボーは急性期治療薬で、作用機序が異なる
  • ✅ 併用は可能だが、レイボー服用後の運転には注意が必要
  • ✅ 「アクイプタ+レイボー」と「アクイプタ+トリプタン」の使い分けのポイントを紹介
目次
  1. 1. アクイプタ(アトゲパント)とレイボー(ラスミジタン)とは?
  2. 2. 作用機序の違い
  3. 3. アクイプタとレイボーの併用は可能?
  4. 4. レイボー服用時の注意点
  5. 5. 「アクイプタ+レイボー」と「アクイプタ+トリプタン」どちらを選ぶ?
  6. 6. まとめ

1. アクイプタ(アトゲパント)とレイボー(ラスミジタン)とは?

アクイプタ(一般名:アトゲパント)とレイボー(一般名:ラスミジタン)は、どちらも比較的新しい片頭痛の治療薬です。しかし、その役割は大きく異なります。

  • アクイプタ:片頭痛の予防薬として使用されます。毎日服用することで、片頭痛の発作が起こる頻度や程度を軽減することが期待できます。
  • レイボー:片頭痛の急性期治療薬として使用されます。頭痛が始まった際に服用することで、痛みを和らげ、症状を改善します。

つまり、アクイプタは「片頭痛が起こらないようにする薬」、レイボーは「起こってしまった片頭痛を鎮める薬」というイメージですね。

2. 作用機序の違い

アクイプタとレイボーは、それぞれ異なるメカニズムで片頭痛に作用します。この違いが、併用する上での重要なポイントとなります。

  • アクイプタ:CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)受容体拮抗薬です。CGRPは、片頭痛の発症に関与する物質の一つと考えられています。アクイプタは、CGRPが受容体に結合するのを阻害することで、片頭痛の発症を抑制します。CGRP関連の注射薬(抗体製剤)にも、エムガルティアジョビアイモビーグなどがありますが、アクイプタは内服薬である点が特徴です。
  • レイボー:5-HT1F受容体作動薬です。脳内のセロトニン受容体の一種である5-HT1F受容体を刺激することで、血管収縮を起こさずに神経に直接作用し、片頭痛の痛みを和らげます。トリプタンと異なり血管収縮作用がないため、心血管リスクのある方にも使いやすいのが特徴です。

このように、アクイプタはCGRPという片頭痛の根本原因に作用するのに対し、レイボーはセロトニン受容体を介して痛みを緩和するという、異なるアプローチを取っています。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

アクイプタとレイボーは、作用する場所もメカニズムも全く違うお薬です。そのため、併用することで、より効果的な片頭痛治療が期待できる可能性があります。

3. アクイプタとレイボーの併用は可能?

結論から言うと、アクイプタとレイボーの併用は可能です。それぞれの作用機序が異なるため、薬物相互作用のリスクは低いと考えられています。

実際、PubMedで検索してみても、アトゲパント(アクイプタ)とラスミジタン(レイボー)の相互作用に関する具体的な報告は見当たりません。

ただし、併用にあたっては、必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従ってください。自己判断での服用は避けましょう。

4. レイボー服用時の注意点

アクイプタとの併用において特に注意が必要なのは、レイボーの副作用です。レイボーには、以下のような副作用が報告されています。

  • めまい
  • 眠気
  • ふらつき

これらの副作用により、レイボー服用後、特に8時間以内は、自動車の運転や危険な機械の操作が禁止されています。これは、レイボーの添付文書にも明記されている重要な注意点です。

また、レイボーは、トリプタン製剤と異なり、心血管系のリスクを持つ患者さんにも比較的安全に使用できるとされています。しかし、重度の肝機能障害のある患者さんには慎重な投与が必要です。

これらの点を考慮し、レイボーは、以下のような場合に適していると考えられます。

  • トリプタンが効かない、または効果が不十分な場合
  • トリプタンの副作用が強く出る場合
  • 心血管系のリスクがあり、トリプタンの使用がためらわれる場合

以前の記事「レイボーとトリプタンの併用は?24時間ルールと違い|頭痛専門医が解説」でも解説したように、レイボーとトリプタンの間には、併用に関する注意点(24時間ルール)があります。しかし、アクイプタとの併用においては、このルールは適用されません。

5. 「アクイプタ+レイボー」と「アクイプタ+トリプタン」どちらを選ぶ?

アクイプタによる予防療法を行っている場合、発作時の頓服薬として、レイボーとトリプタンのどちらを選ぶべきか悩む方もいるかもしれません。

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを比較し、判断のポイントを整理してみましょう。

レイボー トリプタン
メリット
  • 心血管系リスクのある患者にも比較的安全
  • トリプタンが効かない頭痛にも有効な可能性
  • 効果が高い
  • 歴史が長く、安全性に関するデータが豊富
  • 種類が豊富で、自分に合ったものが選びやすい
デメリット
  • 服用後8時間は運転禁止
  • トリプタンに比べると効果が弱いと感じる場合がある
  • 心血管系リスクのある患者には慎重投与
  • 人によっては副作用が出やすい

これらの点を考慮すると、以下のような使い分けが考えられます。

  • 運転をする必要がある場合はトリプタン
    • レイボーは服用後8時間運転禁止のため、運転の予定がある場合はトリプタンを選択しましょう。
  • 心血管リスクがある場合はレイボー
    • トリプタンは血管収縮作用があるため、心血管リスクがある場合は、比較的安全に使用できるレイボーを検討しましょう。
  • トリプタンで効果不十分ならレイボー
    • いつもトリプタンが効くとは限りません。効かない場合に、レイボーを試してみるのも良いでしょう。

もちろん、最終的な判断は、医師との相談の上で行うことが重要です。頭痛の頻度、程度、持病、ライフスタイルなどを考慮し、最適な組み合わせを見つけましょう。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

アクイプタとレイボー、そしてトリプタン。これら3つの薬を上手に使い分けることで、よりきめ細やかな片頭痛治療が可能になります。それぞれの薬の特徴を理解し、医師と相談しながら、自分に合った組み合わせを見つけていきましょう。

6. まとめ

アクイプタとレイボーは、作用機序の異なる片頭痛治療薬であり、併用は可能です。しかし、レイボー服用後の運転には注意が必要です。

アクイプタによる予防療法に加えて、発作時の頓服薬としてレイボーとトリプタンを使い分けることで、より効果的な片頭痛治療が期待できます。医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。

当院では、頭痛のオンライン診療も行っております。お気軽にご相談ください。

前川裕貴 医師

前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

日本頭痛学会 日本神経学会 日本内科学会

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