専門医の頭痛ブログ

【頭痛専門医が解説】片頭痛とピル(低用量エストロゲン)|前兆がある方は要注意、代替の考え方

片頭痛とピルの注意点(前兆と代替案)

結論:前兆(オーラ)がある片頭痛では、エストロゲン配合のピルは原則避ける/要相談。代替案を一緒に選びましょう。

医師より
「ギザギザが見える」「言葉が出にくい」などの前兆がある方(前兆のある片頭痛 参照)は、脳梗塞リスクの観点からエストロゲン配合を基本的に避けます。喫煙や年齢が重なるとリスクはさらに上がります。

まず確認(自己チェック)

  • 前兆(視覚のギザギザ・しびれ・言葉のもつれ)が5〜60分で消えるタイプ?
  • 喫煙・高血圧・片頭痛の頻度増加はない?
  • 月経の前後に強い周期性はある?(月経関連片頭痛の可能性)

避ける/慎重に/選びやすい(目安表)

状況選択の目安ポイント
前兆(オーラ)ありエストロゲン配合は原則避ける代替:プロゲスチン単剤(POP)、IUS(子宮内黄体ホルモン)、銅IUD
前兆なし片頭痛年齢・喫煙・血圧を見て慎重に可最小用量・副作用モニター。月経関連には短期予防も検討
喫煙・高血圧・40歳以上避ける/専門医相談血栓・脳梗塞リスク上昇

※個別の可否は診察で判断します。独断で中止/開始はしないでください。

月経関連が強いなら

周期が読める場合、短期予防(山場の数日前から決めた回数で使う等)で大きく楽になる方も(月経関連片頭痛 参照)。薬の回数は10/15ルールを超えない運用に(MOH 参照)。

医師より
ピルで「生理は楽になったけど頭痛は悪化」という相談も多いです。頭痛日誌で相関を可視化すると方針が定まりやすいですよ(→ 日誌テンプレ)。

救急が必要なサイン

  • 突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)
  • 麻痺・ろれつ障害・視野の欠けが持続
  • 息切れ・胸痛・ふくらはぎの腫れ(血栓症状)

当院は救急対応は行いません。緊急が疑われる場合は地域の救急へ。

当院オンライン受診の目安

  • 前兆ありで避妊法の選択を相談したい
  • ピル開始/変更後に頭痛が悪化した
  • 月経関連が強く、短期予防+生活調整を設計したい
頭痛専門医の写真(前川裕貴 医師)
この記事を書いた医師
頭痛センター長 頭痛専門医 前川裕貴

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