専門医の頭痛ブログ

【頭痛専門医が解説】新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)とは?原因・治療法

診察室で患者さんの話に耳を傾ける頭痛専門医

新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)」という言葉を聞いたことがありますか? まるで風邪のように、ある日突然始まり、毎日続く頭痛のことです。今回は、このNDPHについて、原因や治療法を詳しく解説していきます。

【この記事のポイント】
  • ✅ NDPHは、ある日突然始まり、3ヶ月以上続く頭痛
  • ✅ 原因は特定が難しいことが多い
  • ✅ 治療は、頭痛のタイプに合わせた薬物療法や生活習慣の改善

新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)とは?

NDPHは、それまでほとんど頭痛がなかった人が、ある日突然、毎日頭痛を感じるようになる病気です。その頭痛が3ヶ月以上続く場合、NDPHと診断されることがあります。まるでスイッチが入ったかのように頭痛が始まるため、原因が分からず、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

NDPHは、国際頭痛学会が定める「国際頭痛分類」にも記載されている、れっきとした頭痛の病気です。しかし、その原因や治療法はまだ十分に解明されていません。だからこそ、正しい知識を持ち、適切な医療機関を受診することが大切です。

NDPHの症状

NDPHの主な症状は、毎日続く頭痛です。しかし、その痛みの種類や程度は人によって異なります。NDPHの頭痛は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類できます。

  • 片頭痛のような頭痛:ズキンズキンと脈打つような痛み、吐き気、光や音に敏感になるなどの症状を伴うことがあります。
  • 緊張型頭痛のような頭痛:頭全体が締め付けられるような、重い感じの痛み。

NDPHの約67%は慢性片頭痛のような症状を示すという報告もあります(PMID: 37032616)。

これらの症状に加えて、めまいや倦怠感、集中力の低下などを感じることもあります。頭痛のせいで日常生活に支障が出てしまうことも少なくありません。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

NDPHは、他の頭痛と間違われやすい病気です。特に、慢性片頭痛緊張型頭痛と区別することが重要です。自己判断せずに、専門医の診察を受けるようにしましょう。

NDPHの原因

NDPHの原因は、残念ながらまだはっきりと解明されていません。しかし、いくつかの要因がNDPHの発症に関わっていると考えられています。

  • ウイルス感染:風邪やインフルエンザなどのウイルス感染後にNDPHを発症することがあります。
  • 精神的なストレス:強いストレスや不安、うつ状態などがNDPHの発症に関与することがあります。
  • 免疫系の異常:自己免疫疾患などがNDPHの発症に関与する可能性が指摘されています。
  • Valsalva(バルサルバ)効果:咳、くしゃみ、いきみなどがきっかけになることもあります(PMID: 30888529)。

しかし、これらの要因がすべての人に当てはまるわけではありません。NDPHは、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後にNDPHを発症するケースも報告されており、改めて注目されています(PMID: 38568492)。

NDPHの診断

NDPHの診断は、問診と神経学的検査が中心となります。医師は、あなたの頭痛の症状、発症時期、経過などを詳しく聞き取り、他の病気がないかを確認します。

NDPHの診断基準は以下の通りです。

  1. 頭痛が、はっきりとした時期から毎日続く
  2. 3ヶ月以上持続する
  3. 他の病気による頭痛ではない

診断を確定するために、MRI検査などの画像検査を行うこともあります。これは、脳腫瘍やくも膜下出血など、他の病気が原因で頭痛が起きていないかを調べるためです。

また、頭痛日誌をつけることも診断の助けになります。頭痛の頻度、強さ、持続時間、症状、薬の使用状況などを記録することで、医師はより正確な診断を下すことができます。当院では頭痛日誌アプリ【ズツノート】を提供していますので、ぜひ活用してみてください。

NDPHの治療

NDPHの治療は、症状を和らげ、日常生活への支障を減らすことを目的とします。しかし、NDPHに特効薬はなく、治療は患者さんの症状に合わせて個別に行われます。

主な治療法としては、以下のものがあります。

  • 薬物療法:鎮痛薬、抗うつ薬、抗てんかん薬などを使用します。頭痛のタイプ(片頭痛型か緊張型頭痛型か)によって、使用する薬は異なります。
  • 神経ブロック療法:痛みを伝える神経をブロックすることで、痛みを和らげます。
  • 理学療法:首や肩の筋肉の緊張を和らげることで、頭痛を軽減します。
  • 生活習慣の改善:規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけます。

NDPHの治療は、根気が必要です。効果が出るまでに時間がかかることもありますが、諦めずに医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

NDPHの治療は、患者さんと医師が二人三脚で進めていくものです。症状の変化や薬の効果などをこまめに医師に伝え、最適な治療プランを立てていきましょう。最近では、CGRP関連薬も選択肢の一つとして考慮されることがあります。

NDPHの予防

NDPHの原因がはっきりと分かっていないため、確実な予防法はありません。しかし、以下のことに気をつけることで、NDPHの発症リスクを減らすことができるかもしれません。

  • ストレスを溜め込まない:適度な休息や趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
  • 規則正しい生活を送る:毎日同じ時間に寝起きし、バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 適度な運動をする:ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にしましょう。
  • ウイルス感染を予防する:手洗いやうがい、マスクの着用などを徹底しましょう。

これらの予防法は、NDPHだけでなく、他の頭痛や生活習慣病の予防にもつながります。ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください。

こんな時は病院へ

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

  • 急に始まった激しい頭痛
  • 頭痛に伴って、発熱、吐き気、嘔吐、麻痺、意識障害などの症状がある
  • 頭痛が日に日に悪化している
  • 市販の鎮痛薬を飲んでも効果がない
  • 頭痛のせいで日常生活に支障が出ている

これらの症状は、NDPH以外の病気が原因で起こっている可能性もあります。自己判断せずに、専門医の診察を受け、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。頭痛外来を受診することも検討してみてください。当院ではオンライン頭痛外来も行っていますので、お気軽にご相談ください。

【この記事のポイント】
  • ✅ NDPHは、ある日突然始まり、3ヶ月以上続く頭痛
  • ✅ 原因は特定が難しいことが多い
  • ✅ 治療は、頭痛のタイプに合わせた薬物療法や生活習慣の改善
頭痛専門医の写真(前川裕貴 医師)
この記事を書いた医師
頭痛センター長 頭痛専門医 前川裕貴

頭痛を改善する一番の近道は、自分の頭痛のクセ(パターン)を知ることです。 「既存のアプリは複雑で続かない…」そんな患者さんの声に応えるため、頭痛専門医である私が自ら、頭痛ダイアリーアプリを設計・開発しました。 完全無料・広告なしの「ズツノート」で、あなたの頭痛の正体を探ってみませんか?

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