目の充血や涙を伴い、秒単位の激しい痛みが一日に何度も起こる「SUNHA(サンハ)」について、専門医が解説します。
- ✅ SUNHA(SUNCT/SUNA)は、秒〜数分の電撃的な片側の激痛が一日に何十回も起こる稀な頭痛群です。
- ✅ 同じ側の涙・結膜充血・鼻汁など自律神経症状を伴います。
- ✅ 片頭痛や群発頭痛と効く薬が違うため、専門医による見分けが大切です。
40代男性で「数秒の電撃痛+眼が真っ赤+涙」が何十回も——これはSUNHAのサイン。ラモトリギンなど片頭痛とは別の戦い方を選びます。
これ、SUNHAかも?(自己チェック)
SUNHAのチェックリスト
- 痛みは必ず片側で、眼の充血・涙・鼻汁・瞼の腫れなどが同じ側に出る
- 1回の痛みは1〜600秒(多くは数秒〜1分)
- 1日に数十〜数百回起きることがある(誘発されやすい)
- トリプタンや酸素は効きにくい(群発頭痛と違う)
SUNCTとSUNAの違い(ざっくり)
どちらも「短時間・高頻度の片側痛」+「同側の自律神経症状」が特徴ですが、症状の強さで分類されます。
| 型 | 自律神経症状の特徴 | ヒント |
|---|---|---|
| SUNCT | 結膜充血+流涙がどちらも顕著 | 眼が真っ赤になり、涙が止まらない電撃痛 |
| SUNA | 上記のどちらか一方または鼻症状など | SUNCTほど眼の所見が強くないこともあります |
他の頭痛との見分け方(鑑別)
- 群発頭痛:1回が15〜180分と長く、トリプタンや酸素が有効です。
- 発作性片側頭痛(PH):2〜30分。インドメタシンが劇的に効きます。
- 三叉神経痛:電撃痛ですが、涙や充血などの自律神経症状は目立ちません。
治療法(第一選択と代替)
片頭痛薬(トリプタン)や酸素吸入は、SUNHAには一般に無効です。ここが診断の分かれ目になります。
- 第一選択:ラモトリギン(少量から漸増)。痛みと自律神経症状の双方に有効例が多く、最初に検討します。
- 代替薬:カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、トピラマート、ガバペンチン等。
- 難治例:入院下での静注リドカイン、後頭神経ブロック、稀に神経刺激療法。
※鎮痛薬の連用は原則おすすめしません。漫然と続けると薬剤使用過多(MOH)の温床になります。
検査は必要?
SUNHAは多くの場合「原発性(他に原因がない)」ですが、稀に二次性(下垂体や後頭蓋窩の病変など)が原因で起こることがあります。そのため、症状が典型的であっても、頭部MRI検査(ときに下垂体造影)を一度受けておくのが安心です。
当院オンライン受診の目安
このような方はご相談ください
- 秒〜分の片側痛が頻発し、仕事に支障が出ている
- 片頭痛治療が効かない/群発と診断されているが様子が違う
- ラモトリギン等の導入や微調整を相談したい
受診後はカルテIDを発行し、患者さま専用の頭痛日誌フォームをご案内します。発作頻度と誘因の変化を見える化し、薬と生活の最適解を一緒に作ります(AI分析はIDのある方限定)。
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