専門医の頭痛ブログ

トリプタンは市販で買える?薬局で入手できない理由|頭痛専門医が解説

頭痛に悩む女性がこめかみを押さえている様子。背景は薬局の棚。

「つらい片頭痛に、トリプタンが効くって聞いたけど、薬局で買えるのかな?」そう思っている方は多いのではないでしょうか。

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【この記事のポイント】
  • ✅ トリプタンは医療用医薬品のため、市販では購入できません
  • ✅ 医師の処方箋が必要な理由は、安全に服用するためです
  • ✅ 市販薬で効果がない場合は、専門医に相談してみましょう
目次
  1. トリプタンは市販で買える?
  2. トリプタンに処方箋が必要な理由
  3. 市販の頭痛薬とトリプタンの違い
  4. トリプタンの種類と特徴
  5. トリプタン以外の処方薬
  6. トリプタンを処方してもらうには?

トリプタンは市販で買える?

結論からお伝えすると、トリプタンは医療用医薬品に指定されているため、薬局やドラッグストアで市販薬として購入することはできません。トリプタンを使用するには、医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります。

「え、そうなの? 結構つらいのに…」と思われるかもしれませんが、これにはきちんとした理由があるんです。トリプタンは、適切に使用すれば片頭痛に高い効果を発揮する一方で、注意が必要な点もあるお薬なんですよ。

トリプタンに処方箋が必要な理由

トリプタンが処方箋医薬品であるのには、主に3つの理由があります。

  1. 二次性頭痛の除外: 頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わる病気が原因で起こる「二次性頭痛」というものがあります。トリプタンは片頭痛に有効な薬ですが、二次性頭痛には効果がありません。自己判断でトリプタンを服用してしまうと、重大な病気の発見が遅れる可能性があるため、危険な頭痛を見分けるためにも、まずは医師の診断を受けることが大切です。
  2. 心血管系リスク: トリプタンは血管を収縮させる作用があるため、心筋梗塞や狭心症などの心血管系の病気を持っている方には慎重な投与が必要です。問診や検査でリスクを評価する必要があります。
  3. 薬剤相互作用: トリプタンは、一部の抗うつ薬など、他の薬との組み合わせによっては相互作用を起こす可能性があります。医師は、患者さんが服用している薬をすべて把握した上で、安全にトリプタンを処方する必要があります。

このように、トリプタンは効果が高い反面、注意すべき点もあるため、医師の管理下で使用する必要があるのです。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

自己判断で市販薬を飲み続けることは、薬剤の使用過多による頭痛(MOH)を引き起こす原因にもなります。漫然と市販薬を服用するのではなく、一度専門医に相談してみませんか?

市販の頭痛薬とトリプタンの違い

「市販の頭痛薬でも効くときはあるけど、トリプタンとは何が違うの?」と思われた方もいるかもしれませんね。市販薬とトリプタンの主な違いは、作用機序にあります。

薬の種類 主な成分 作用機序
市販の頭痛薬 ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなど 炎症や痛みを引き起こす物質(プロスタグランジン)の生成を抑える
トリプタン スマトリプタン、ゾルミトリプタンなど 脳の血管を収縮させ、炎症を抑える。セロトニン受容体に作用する

市販の頭痛薬は、主に痛みや炎症を抑える作用があります。一方、トリプタンは、片頭痛の発症に関わる脳の血管や神経に直接作用するため、より高い効果が期待できます。

つまり、市販薬はあくまで「痛み止め」であり、片頭痛そのものを治療する薬ではないのです。そのため、市販薬では効果が不十分な場合や、繰り返し頭痛が起こる場合は、トリプタンなどの専門的な治療薬を検討する必要があります。

トリプタンの種類と特徴

トリプタンには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴をまとめたのが以下の表です。

種類 特徴 剤形
スマトリプタン 初めて開発されたトリプタン。効果と安全性のバランスが良い。 錠剤、点鼻薬、注射
ゾルミトリプタン 効果発現が比較的早い。 錠剤、OD錠(口腔内崩壊錠)
リザトリプタン 効果発現が早い。 錠剤、OD錠
エレトリプタン 効果が高く、再発しにくいという報告がある。 錠剤
ナラトリプタン 効果発現は遅いが、効果持続時間が長い。 錠剤

どのトリプタンが合うかは、頭痛のタイプや体質によって異なります。医師と相談しながら、自分に合ったトリプタンを見つけましょう。

トリプタン以外の処方薬

トリプタン以外にも、片頭痛の治療に使える薬はあります。例えば、

  • レイボー(ラスミジタン): トリプタンとは異なる作用機序で、片頭痛の痛みを抑えます。トリプタンが使用できない方や、トリプタンの効果が不十分な場合に選択肢となります。
  • ナルティーク(リメゲパント): CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という片頭痛に関わる物質の働きを抑える薬です。片頭痛の急性期治療だけでなく、予防療法にも使用できます。
  • CGRP製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ、アクイプタ): CGRPという片頭痛に関わる物質の働きを抑える注射薬または内服薬です。月に数回以上、片頭痛が起こる方に対して、片頭痛の予防薬として使用されます。

これらの薬は、トリプタンとは異なる作用機序を持つため、トリプタンが効かない場合や、副作用で使用できない場合でも、効果が期待できる可能性があります。

トリプタンを処方してもらうには?

トリプタンを処方してもらうためには、医療機関を受診する必要があります。おすすめは、

  • 頭痛外来
  • 脳神経内科

など、頭痛を専門とする医療機関です。頭痛外来では、頭痛のタイプを特定し、適切な治療法を提案してくれます。

「病院に行く時間がない…」という方には、オンライン診療という選択肢もあります。オンライン診療では、自宅にいながら医師の診察を受け、薬を処方してもらうことができます。

大切なのは、自己判断で市販薬を飲み続けるのではなく、専門医に相談し、適切な治療を受けることです。つらい頭痛から解放されて、快適な毎日を取り戻しましょう! 市販薬でなかなか改善しない場合は、ぜひ一度、専門医にご相談ください。 急性期治療薬の使い分けや、アクイプタなどの新しい選択肢についても相談できます。

前川裕貴 医師

前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

日本頭痛学会 日本神経学会 日本内科学会

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