頭のどこかが一瞬だけ「ズキン!」と鋭く痛む、そんな「一次性穿刺様頭痛」について解説します。
- ✅ 「アイスピックで刺されたような」一瞬の鋭い痛みが特徴です。
- ✅ 痛みは数秒以内で治まり、場所が移動することもあります。
- ✅ 三叉神経痛や群発頭痛と似ていますが、見分けるポイントがあります。
一次性穿刺様頭痛(アイスピック頭痛)とは?
「テレビを見ているとき、突然頭に雷が落ちたような鋭い痛みが走った」「アイスピックや針で一突きされたような痛みが一瞬だけあった」
このような経験はありませんか?
これは医学的に「一次性穿刺様頭痛(いちじせいせんしようずつう)」と呼ばれるもので、通称「アイスピック頭痛」とも言われています。
名前に「穿刺(せんし)」とあるように、まるで針で刺されたような鋭い痛みが特徴です。とても痛いですが、一瞬で終わるため「気のせいかな?」と病院へ行かずに様子を見ている方も多いですね。
主な症状の特徴
国際頭痛分類(ICHD-3)によると、この頭痛には以下のような特徴があります。
症状チェックリスト
- 一回の痛みが数秒以内(長くても数分は続かない)
- 不規則なタイミングで起こる(1日に1回~数回、あるいはもっと多いことも)
- 痛む場所が変わることがある(いつも右側、とは限らない)
- 涙が出たり、目が充血したりといった症状は伴わない
多くの場合、痛みは単発あるいは連続して起こりますが、持続時間は非常に短いです。また、片頭痛をお持ちの方に合併しやすいことも知られています(約40%程度)。
似ている病気との見分け方(三叉神経痛・TACs)
この頭痛の診断で最も大切なのは、「他のよく似た病気ではないこと」を確認することです。
特に、顔の激痛で知られる「三叉神経痛」や、目の奥が痛む「TACs(三叉神経・自律神経性頭痛)」との区別が重要です。
専門医でも迷うことがあるこれらの頭痛ですが、大まかな違いを整理してみましょう。
| 特徴 | 一次性穿刺様頭痛 | 三叉神経痛 | TACs (SUNCT/SUNAなど) |
|---|---|---|---|
| 痛みの持続 | 一瞬(数秒) | 一瞬~2分程度 | 数秒~数分 |
| 痛む場所 | 移動することがある 頭のどこでも |
常に同じ場所 (顔の片側が多い) |
常に同じ側 (目の周りなど) |
| きっかけ (トリガー) |
なし 突然起こる |
あり 洗顔、歯磨き、触れるなど |
あり/なし 首の動きなどで誘発も |
| 伴う症状 | なし | 顔面のひきつりなど | 自律神経症状あり 涙、充血、鼻水など |
ポイントは「痛むときに涙や鼻水が出るか(TACsの可能性)」と「顔を触るなどのきっかけがあるか(三叉神経痛の可能性)」です。一次性穿刺様頭痛は、これといったきっかけがなく、場所も日によって変わることが多いのが特徴です。
もし、痛むときに「必ず涙が出る」「目が充血する」という場合は、TACsの一種である群発頭痛やSUNCT/SUNA症候群の可能性がありますので、早めの受診をおすすめします。
原因と治療法について
原因はまだはっきりしていません
残念ながら、なぜこの頭痛が起こるのか明確な原因は分かっていません。ストレスや不規則な生活が誘引になることもありますが、脳の血管や神経に明らかな異常が見つからないのが「一次性」の定義でもあります。
治療法:インドメタシンが効くことも
痛みが一瞬であるため、通常の痛み止め(ロキソニンなど)を飲んでも、薬が効く前に痛みが終わってしまうことがほとんどです。
しかし、頻繁に起きて生活に支障が出る場合は、インドメタシンという種類の抗炎症薬が有効な場合があります。
また、基礎疾患として片頭痛がある場合は、片頭痛の治療をしっかり行うことで、この穿刺様頭痛も減ることがあります。
危険な頭痛のサインを見逃さない
一次性穿刺様頭痛自体は、脳に異常がある怖い病気ではありません。しかし、「今までに経験したことがない激しい痛み」や「徐々に頻度が増えている痛み」は、まれに脳の病気が隠れていることがあります(二次性頭痛)。
受診を急ぐべきサイン
- 50歳を過ぎてから初めて症状が出た
- 痛む場所が常に同じ一箇所に固定されている
- 発熱や手足のしびれ、言葉が出にくいなどの症状を伴う
- 痛みの回数が急激に増えている
このような症状がある場合は、自己判断せず、必ず頭痛外来や脳神経外科でMRIなどの検査を受けてください。
「一瞬だから大丈夫」と我慢せず、痛みに不安を感じたら一度ご相談ください。特に他の頭痛と迷うような症状は、専門医による問診が正しい診断への近道です。
当院では、慢性頭痛の専門的な診療を行っています。痛みの正体を知るだけでも、心の負担は大きく軽くなりますよ。
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