専門医の頭痛ブログ

ナルティーク・アクイプタの処方制限(14日ルール)と対策|頭痛専門医が解説

「ナルティークは1回14日分しかもらえない?」「アクイプタも同じ制限がある?」——片頭痛の新薬には発売後1年間の処方日数制限があります。なぜ2週間分しか出せないのか、隔日投与の場合はどうなるのか、オンライン診療で通院の負担をどう減らすか。頭痛専門医が詳しく解説します。

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【この記事のポイント】
  • ✅ ナルティーク・アクイプタは発売後1年間、1回の処方が14日分に制限される
  • ✅ ナルティーク予防(隔日投与)の場合、14日分 = 7錠(14日間分の薬)
  • ✅ 2週間ごとの受診が必要だが、オンライン診療なら自宅から可能
  • ✅ 制限解除は発売後1年後。ナルティークは2026年11月頃、アクイプタは2027年4月頃の見込み
目次
  1. 「新薬14日制限」とは?
  2. ナルティークの処方日数(急性期・予防別)
  3. アクイプタの処方日数
  4. 2つの新薬の処方制限 比較表
  5. なぜ2週間ごとの受診が必要なのか
  6. 2週間ごとの受診を楽にする方法
  7. 制限が解除されたらどうなる?

「新薬14日制限」とは?

日本では、新しく発売された医療用医薬品(新薬)には、原則として発売後1年間、1回の処方が14日分までに制限されるルールがあります。これは厚生労働省が定めた規定で、以下の目的があります。

  • 新薬の安全性を市販後にモニタリングする(治験では見つからなかった副作用の早期発見)
  • 患者さんが定期的に受診する機会を確保する(2週間ごとに医師がチェック)
  • 新薬の適正使用を促進する

片頭痛の新薬では、現在ナルティーク(リメゲパント)アクイプタ(アトゲパント)の2つにこの制限が適用されています。

ナルティークの処方日数(急性期・予防別)

ナルティークは急性期治療(頓服)と予防(隔日投与)の2つの使い方ができるため、処方日数の考え方がやや複雑です。

使い方 1回の処方で出せる量 実際の日数
急性期治療(頓服) 14錠まで 発作頻度による(月4回なら約3.5ヶ月分)
予防(隔日投与) 7錠(14日分 = 1日おき × 14日間) 14日間分(2週間ごとに受診が必要)
予防+急性期 予防7錠 + 頓服分(合計14錠まで) 14日間

最も影響を受けるのは予防投与の方です。隔日で毎日飲むため、14日分 = 7錠しか処方できず、2週間ごとに受診が必要になります。

前川医師
頭痛専門医のひとこと

ナルティークを頓服のみで使っている方は、月に数回しか飲まないため、14錠あれば数ヶ月持つことが多いです。処方制限の影響が大きいのは「予防として毎日飲んでいる方」です。

アクイプタの処方日数

アクイプタ(アトゲパント)は2026年4月15日に薬価収載、4月17日に販売開始された新薬です。こちらも発売後1年間は14日分の処方制限があります。

用量 1回の処方で出せる量 実際の日数
10mg(毎日1回) 14錠 14日間
30mg(毎日1回) 14錠 14日間
60mg(毎日1回) 14錠 14日間

アクイプタは毎日1回服用の予防専用薬なので、14日分 = 14錠 = 2週間分。ナルティーク同様、2週間ごとの受診が必須です。

アクイプタの処方制限解除時期

アクイプタの14日制限は、2027年4月頃に解除される見込みです(販売開始から約1年後)。それまでは2週間ごとの処方となります。

2つの新薬の処方制限 比較表

ナルティーク アクイプタ
一般名 リメゲパント アトゲパント
用途 急性期+予防(デュアル) 予防専用
服用方法 頓服 or 隔日 毎日1回
14日制限の影響 予防投与の方に大きい 全員に影響
1回の処方量 最大14錠 最大14錠
受診頻度 予防:2週間ごと / 頓服のみ:月1回程度 2週間ごと
制限解除時期 2026年11月頃 2027年4月頃
薬価(1錠) 2,923.20円 339.90〜1,461.60円

薬価の詳細は片頭痛の薬価一覧2026をご覧ください。

なぜ2週間ごとの受診が必要なのか

「効いているなら、もっとまとめて出してほしい」と思うのは当然です。しかし、2週間ごとの受診には以下のメリットもあります。

2週間ごと受診のメリット

  • 副作用の早期発見:吐き気、便秘、肝機能への影響を定期的にチェック
  • 用量の微調整:アクイプタは10mg/30mg/60mgの3段階。効果と副作用を見ながら最適化
  • 頭痛記録のレビュー頭痛ノート「ズツノート」で2週間分の記録を見て治療効果を判定し、薬の調整を行う
  • MOHの予防:急性期薬の使用頻度もチェックし、飲みすぎを防止
前川医師
頭痛専門医のひとこと

2週間ごとの受診は確かに負担ですが、新薬の立ち上がり期は特に細かい調整が大切な時期です。特にアクイプタは3用量から最適なものを探す必要があるため、最初の1〜2ヶ月はこまめなフォローが治療成功の鍵になります。

2週間ごとの受診を楽にする方法

14日制限があっても、オンライン診療を活用すれば通院の負担をゼロにできます

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当院のオンライン頭痛外来では、ナルティーク・アクイプタの処方に対応しています。頭痛ダイアリー「ズツノート」のデータが医師に自動共有されるため、2週間分の頭痛の経過を説明する手間もありません。

制限が解除されたらどうなる?

14日制限が解除されると、最大30日分(または90日分)の処方が可能になります。

制限解除時期(見込み) 解除後の最大処方
ナルティーク 2026年11月頃 30日分(予防:15錠 / 頓服:30錠)
アクイプタ 2027年4月頃 30日分(30錠)

制限解除後は月1回の受診で済むようになるため、通院の負担は大幅に軽減されます。ただし、薬の効果や副作用のモニタリングのために、定期的なフォローアップは引き続き推奨されます。

ナルティークとアクイプタの違い(使い方・薬価・特徴の比較)はアクイプタとナルティークの併用・使い分けをご覧ください。どちらが自分に合っているかは、頭痛専門医に相談するのが確実です。

片頭痛の全体像(症状・原因・種類・治療法)については片頭痛(偏頭痛)とは?症状・原因・種類・治し方もご覧ください。

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前川裕貴 医師

前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

日本頭痛学会
日本神経学会
日本内科学会

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