2025年に登場した新薬「ナルティーク」をはじめ、片頭痛の治療薬は選択肢が広がっていますが、やはり気になるのはその「お値段」ですよね。
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- ✅ 新薬ナルティークの薬価は1錠約2,923円(3割負担で約880円)です。
- ✅ 特効薬(トリプタン)はジェネリックを選ぶと、1錠約40円〜と費用を抑えられます。
- ✅ 予防注射のエムガルティ等は効果が高いですが、月額約1.2万円の負担になります。
目次
注目の新薬「ナルティーク」等の価格一覧
まずは話題の新しいお薬の価格から見ていきましょう。これらは従来のトリプタン製剤が合わなかった方でも使える可能性があります。
※価格は2025-2026年の薬価を基にした3割負担の目安です。
最新の片頭痛治療薬(内服)
| 商品名(成分) | 特徴 | 1錠の薬価 | 1錠の負担額 (3割負担) |
|---|---|---|---|
| ナルティーク (リメゲパント) |
予防・発作時の 両方に使える |
2,923.20円 | 約877円 |
| アクイプタ 10mg (アトゲパント) |
予防に特化 毎日1回服用 |
339.90円 | 約102円 |
| アクイプタ 30mg | 予防に特化 標準用量 |
831.30円 | 約249円 |
| アクイプタ 60mg | 予防に特化 高用量 |
1,461.60円 | 約438円 |
| レイボー 50mg (ラスミジタン) |
めまい等の副作用 注意が必要 |
約325円 | 約98円 |
| レイボー 100mg (ラスミジタン) |
効果が高い 高用量タイプ |
約571円 | 約171円 |
ナルティークは予防薬として「1日おき」に飲むと、月15錠で約13,200円(3割負担)。アクイプタは毎日1回で、30mgなら月約7,480円。アクイプタの方がコスト面では有利ですが、ナルティークは発作時の頓服にも使えるデュアルユースが強みです。
片頭痛の特効薬(トリプタン)の価格比較
長年使われている「トリプタン製剤」には、安価なジェネリック医薬品(後発品)がたくさんあります。コストを重視する場合、まずはこれらが選択肢になります。
先発品とジェネリックの価格差
| 一般名(成分) | タイプ | 1錠の負担額目安 (3割負担) |
|---|---|---|
| スマトリプタン (イミグラン等) |
先発品 | 約85円 |
| ジェネリック | 約38円〜 | |
| エレトリプタン (レルパックス等) |
先発品 | 約104円 |
| ジェネリック | 約40円〜 | |
| リザトリプタン (マクサルト等) |
先発品 | 約101円 |
| ジェネリック | 約22円〜 | |
| ナラトリプタン (アマージ等) |
先発品 | 約84円 |
| ジェネリック | 約48円〜 |
効果に個人差はありますが、ジェネリックに変更することで費用を半分以下にできることが多いです。医師や薬剤師に「ジェネリック希望」とお伝えください。
注射の予防薬(CGRP製剤)の費用まとめ
「頭痛をゼロに近づける」高い効果で人気の予防注射です。高額療養費制度の対象になる場合もあるため、詳しくは窓口でご相談ください。
| 商品名 | 投与ペース | 1回あたりの負担額 (3割負担) |
|---|---|---|
| エムガルティ | 月1回 | 約12,800円 ※初回は約25,600円 |
| アジョビ | 月1回 (3本まとめ打ちも可) |
約11,700円 |
| アイモビーグ | 月1回 | 約11,700円 |
※これらは薬剤費のみの目安です。診察料や、他の処方薬の費用が別途かかります。
CGRP注射薬の3製剤の詳しい比較(投与間隔・自己注射・処方本数の違いなど)は、片頭痛の注射治療とは?エムガルティ・アジョビ・アイモビーグの違いをご覧ください。
医療費を軽減する制度(付加給付・高額療養費)
CGRP注射薬やゲパント系の新薬は効果が高い反面、月額1万円以上の負担になることも。しかし、加入している健康保険によっては、自己負担額を大幅に減らせる制度があります。
付加給付制度(企業の健保組合・共済組合)
大手企業の健康保険組合や公務員共済などには、「付加給付」という独自の医療費助成制度があることが多いです。1ヶ月の自己負担額に上限(多くの場合2万〜2.5万円)が設けられ、超えた分が後日払い戻されます。
| ケース | 3割負担額 | 付加給付後の実質負担(上限2.5万円の場合) |
|---|---|---|
| エムガルティ1本+診察料 | 約15,000円 | 約15,000円(上限以下なので全額自己負担) |
| エムガルティ初回2本+診察料 | 約29,000円 | 約25,000円(約4,000円が払い戻し) |
| CGRP注射薬3本まとめ+診察料 | 約39,000円 | 約25,000円(約14,000円が払い戻し) |
在宅自己注射であればどの製剤も最大3本まで処方可能です。3本まとめて処方する場合は付加給付の恩恵が大きくなり、実質月額約8,300円程度に抑えられる可能性があります。
付加給付制度の確認方法
- 保険証の「保険者番号」が06・31〜34・72〜75で始まる方は対象の可能性が高い
- 国民健康保険(国保)には付加給付制度はありません
- ご加入の健保組合のホームページで「付加給付」「一部負担還元金」を検索、または窓口に問い合わせ
- 扶養家族も対象になる場合があります
高額療養費制度
CGRP注射薬単体では高額療養費の上限(一般的に約8万円/月)に達しにくいですが、同じ月に他の医療費(歯科・他科の治療など)がある場合は合算可能です。特にエムガルティ初回月(2本)や3本まとめ処方月は、他の医療費との合算で上限を超えやすくなります。
医療費控除(確定申告)
1年間の医療費が10万円を超えた場合は、確定申告で医療費控除を受けられます。CGRP注射薬を毎月使用している方は年間14〜16万円の薬剤費になるため、他の医療費と合わせると控除の対象になりやすいです。
「注射薬は高いから…」と諦める前に、ぜひ付加給付制度を確認してみてください。大手企業にお勤めの方やそのご家族であれば、実質的な負担がかなり軽くなる場合があります。治療費の不安は、私たちに遠慮なくご相談くださいね。
安価に始められる従来の予防薬
「いきなり高い薬はちょっと…」という方は、古くからある飲み薬から始めるのがガイドラインでも推奨されています。緊張型頭痛を併発している方にも有効な場合があります。
お財布に優しい予防薬(1日薬価 数十円〜)
- ミグシス(ロメリジン):血管の収縮を防ぐカルシウム拮抗薬。
- デパケン(バルプロ酸):脳の興奮を抑える。前兆のある片頭痛にも使われます。
- トリプタノール(アミトリプチリン):痛みに対する過敏さを改善します。
- インデラル(プロプラノロール):血圧の薬ですが、片頭痛予防にも実績があります。
これらの薬であれば、毎日飲んでも月額数百円〜1,000円程度(3割負担)で済みます。
最新の「ナルティーク」や「注射薬」は非常に良い薬ですが、必ずしも全ての人に必要とは限りません。ライフスタイルと予算に合わせて、無理なく続けられる治療法を一緒に探していきましょう。
2026年4月には新たなゲパント系予防薬アクイプタ(アトゲパント)も薬価収載されました。10mg(339.90円)・30mg(831.30円)・60mg(1,461.60円)の3規格で、月額約3,060〜13,150円(3割負担)。通常は60mgを使用するため月額約13,150円が目安で、ナルティーク(予防)とほぼ同水準です。予防に特化した毎日服用型です。
📱 治療費と効果を見極めるためにも、頭痛の頻度を記録して主治医と共有しましょう。
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埼玉精神神経センター 頭痛専門外来
荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長
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